はじめに
ビジネスを進めていくうえで、打ち合わせを進めていくうちに「ああ、この人はどうしても自分でやりたくないんだろうなあ・・・」などと感じたことはないでしょうか。本記事では本当に激高しながら大声で話す、会話にならない、といった問題行動ではなく、「会話の中に潜む感情」への対処法について考えを述べさせていただこうと思います。
例:人材育成計画
例えば、指導している部下がいるとして研修を受けさせるような状況は良くあるかと思います。以下のような会話を経験したことがないでしょうか。
あなたのキャリアパスだと、○○の研修を受けて××の資格取得を目指すのが良さそうだね
うーん・・・その資格は自分にとって今最適な資格とは思えないです。
なるほど、では希望する研修や取りたい資格はある?
はい。△△の資格の方が自分にとって役に立つと考えています
あれ?こちらの言った資格より範囲が狭くて簡単だな・・・
わかりました。こちらで進めましょう。
この時、部下には上司の提案した資格を取る自信がありませんでした。そのため上記のように回答したのですが、資格を提案した上司は違和感を感じています。自分が提案した資格に比べ、部下が希望した資格は簡単なもので、部下のキャリアパスにとってはもう少し難易度の高いものを選択してほしい気持ちがありました。深く聞かなかったものの部下が提案する資格の方が優先度が高い、部下自身にとってより有用であるとは思えなかったのです。
感情を感情として発言するほうが建設的な会話になる
先ほどの会話で、隠していた感情も含めて会話したとします。
あなたのキャリアパスだと、○○の研修を受けて××の資格取得を目指すのが良さそうだね
××の資格は良い資格だと思いますが、今の自分では○○を受けても他に知らないことが多すぎて辛いです・・・
なるほど。ではいつかは××に向かうとして、不足してそうな知識や技術はどう埋めていこうか
上司としては素直に感情を教えてもらったほうが対策が考えられることになります。最初のパターンだと何故提案した資格を受けたくないのか、会話以外の情報から予測する必要がありました。余計な手間となってしまいます。この時上司はネガティブな発言であっても受け入れられる雰囲気を作るとともに、分析材料として受け止めてあげる必要があります。「面倒くさい」「興味がない」というような感情であってもそれは今後のアクションを決める材料です。面倒ということは負荷を軽減するようにすればよいのか。興味がないならばどうするか?例えば安全や法令遵守に関わる研修であれば興味の有無に関係なく受講が悲痛用ですし、将来のキャリアとしての知識であれば興味があるほうを主軸に考えるなどです。ビジネスにおいて、論理的に議論が進むのは良いことかもしれませんが、感情に理屈をつける行為は議論の質を低下させます。感情は排除ではなく、感情として正しく扱うことが重要なのです。
まとめ
本記事ではビジネスで起こる会話の中で出てくる「感情」の扱いについて述べました。
- 感情も議論していくうえでの材料になる。隠さない
- その場での感情について説明できることが、その後の分析になる
- ただの言い訳ととらえず、周囲も受け入れる姿勢が必要
- 「感情的」にはならない。議論の流れを曲げてしまう
以上のようなことを意識しつつ、自己分析ができると物事がスムーズに進むのではないかと考えます。